学生は就職先探すのにハロワを使うな!

なんだかんだとバタバタして、すっかりと放置気味になってしまっていた当ブログ。これはいかんということで、久々の更新を。いや、しかし、関係ないけど、毎日のようにブログ書いている人は本当偉いと、あらためて思うわ。

 

で、ちょっと煽ったタイトルで、つらつらと書いてみる。 

 

先週のことになるが、「いぐする仙台」さんの下記のイベントに参加してきた。

いぐするテラス特別編「今年から何がどう変わる?株式会社アフターリクルーティング代表に聞く、就活・採用活動後ろ倒し」 | Facebook

 

基本的には学生向けのイベントだったのですが、第2部として、これからの採用活動について考えるディスカッションをやるということで、出席。結構濃いめのメンツの方々と、今の就職(採用)活動の問題点等について、色々と話してきました。

やはり、論点が広すぎる話題でもあるので、結論を出すというよりも、むしろ、何が問題なのかの論点を探る機会になったような印象でもあるのだが、色々な角度からの話が出たので、個人的にもそれはそれで有意義だし、あらためて思うところも少なくなかった。

 

しかし、ギャップイヤーや新卒一括採用などの現行のシステム的な話も出たが、個人的に一番衝撃的だったのが、ハロワの方が言っていたことで、ハロワには新卒求人が5、600件くらい寄せられるのに、その3、4割は応募自体が0だということ。

リクナビマイナビの2015年度の宮城に本社のある求人見ると、重複もあるだろうが、合わせて300社ちょい。これにマイナビ薬学生やマイナビ看護学生合わせても、いいところ350社いかない程度だろう。それをはるかに上回る数の新卒求人がハロワには寄せられているということになる。むろん、5、600社のうちには、ナビにも掲載し、地域の大学にも求人票出したうえで、ハロワにも求人票出している企業もあるだろうが、はっきり言って、現在の新卒採用という市場でマジョリティとは言えないハロワを利用をしているのがそれだけあるということに驚かされた。

一部の企業ではナビ離れという現象も起きているし、個人的に、ナビを使った採用活動だけが採用活動だとは思っていないし、むしろ、ナビに頼らない採用活動は断然推進するべきだとは思うのだが、それはあくまでもナビではなかなか取れない人材層を取りに行く場合の話。常見陽平氏の近著『「就活」と日本社会』によれば、実際にナビ経由で就職が決まる学生は25%程度という試算を出しているが、就職希望の学生50万人以上が登録し、圧倒的なユーザー数を抱えるナビを使わないで、ハロワにだけ求人だしたところで、それは応募0でもいたしかたないと思えるのである。

Amazon.co.jp: 「就活」と日本社会―平等幻想を超えて (NHKブックス No.1227): 常見 陽平: 本

 

で、ハロワの方にも詳しく聞いてみたところ、ナビとかを使わない理由として、まず、大半が中小、零細企業なので、ナビに出稿するだけのお金を使えないということらしい。しかも、その中には、自社のWebサイトすらない会社も少なくないという話。

いやね、各企業ごとに様々な事情や考え方はあるのでしょうけど、それにしても、ある程度の予算かけずに新卒の学生取ろうというのも、ムシが良すぎませんかって思う訳ですよ。ハロワの立場としては、よりマッチングさせなきゃいかんので、内定ない学生に、そういう企業もあるって目を向けさせたいってことなんだが、正直ね、いくら内定ないからといって、そんな企業に行きたくないという学生の方が正しいって気すら起きてくる。親から見ても、いくら大学全入時代とはいえ、宮城県の大学進学率が約47%(短大含、ソースはリクルート進学総研のレポート)なので、くさっても大学出たんだからって話にもなりそうだしね。

 

 リクルート進学総研 マーケットリポートhttp://souken.shingakunet.com/research/201408_touhoku_souken_report.pdf

 

で、いささか極論ではあるのだが、自分が学生にアドバイスするなら、ハロワで探すなと言いたい。

そもそも、まず自社のWebサイトすらない企業は論外。自社のビジネスが特定の安定取引先があって現在は安定収益出てるから、Webの必要性を感じていない企業というのもあるかもしれんけど、既存の特定取引先に頼っているということは、その関係性が崩れたら、一気に傾く可能性も大。くわえて、そういうところは、いくら企業規模が大きくても経営者の個人商店の可能性が極めて高い。経営者に嫌われたら、出世はおろか、それだけで居場所がなくなるなんて可能性もある。くわえて、あえて言うなら、本気度はともかく、現在のマーケット状況とかを鑑みた勝てる戦略を立てられない企業だといっても差し支えないような気すらする。

そして、なにより決定的な懸念材料は、採用にコストをかけるつもりのない企業は、極端に言えば、人材に対して投資するという思考がないということ。育成にもコストをかけるつもりなんてさらさらないところが大半だろう。大企業と比べても意味はないだろうが、大企業が一般的に新卒を採用して、戦力化できるところまで成長させるコストは一人あたり数百万ともいわれるのに、その教育・育成にかけるコスト感覚はおそらくほぼかぎりなく0に近いと思われる。

言い換えれば、単純に若くて安く使える労働力を求めているだけ。教育にも金かける気がないから、使えないと思ったら、すぐに切るつもりのところも多いのでは。しかも、言い換えれば、ろくな教育もせずにできる仕事(少なくとも、そう考えている)なわけで、仕事を通して、社会人としての専門性やスキルが身に付く期待も薄いということも大いにありえる。

ナビの回し者ではないので、なにもナビを必ず使えってわけではないけど、少なくともナビには掲載料がかかるので、それだけ人材にコストをかける気があることだけは確かだとは言えると思う。もちろん、ナビに載ってる企業がすべて良い会社なわけないし、ブラックも当然あると思うけど。ただ、ナビや、大学の就職課をフル活用する方が、いい企業に巡り合える可能性は高いとは思う。(決して、ハロワをdisりたいわけではなく、人材への意識がある企業に巡り合いたいなら、ハロワよりもっていう話ね。ハロワにだって、キャリアカウンセラーがいて、情熱がある人もいるので、そういう人に履歴書の書き方とか、就活の相談に乗ってもらうのは全然アリ。ただ、企業を探すのは…)

 

 まあ、ちょっと極端なこと書いたけど、成長とかは本来受け身でいいものではないし、何が良い企業かは人によって違う訳なので、とにかく、多くの会社を実際に見てみた方が良いよとは思う次第。